日 時 2021年12月16日(第3木曜日) 10時~12時まで
Zoomによるオンライン例会(2週間の見逃し動画配信あり)
テーマ 「赤ちゃんの口の機能性:母乳を食すための進化と発達」
抄録:
哺乳類はさまざまな食性を持つ動物群である。そして、その口を観察すれば、どういう食性の動物なのかがすぐにわかる。例えば、肉食動物であれば、鋭い歯が並び、大きく開く顎関節を持ち、強い咬筋と側頭筋を持つ。草食動物であれば、大きな臼歯が並び、前後左右に大きく摺動できる顎関節を持ち、発達した内側・外側翼突筋を持つ。しかし、哺乳類の赤ちゃんでは、こうした特徴がほとんど見られない。歯が無いし、口は大きく開かないし、筋も未発達で咀嚼などできない。いかにも未熟に見える。
だが、実は赤ちゃんの口は母乳を飲むための最適なかたちをしている。例えば、イヌやネコでは成獣になるにつれて、口が大きく裂けてきて、母乳を上手に飲むことができなくなる。飲もうとしても、横から乳汁がもれてしまうし、歯があるので、乳首をやさしく噛むこともできない。乳首に唇を密着できないので、空気が漏れてしまって、乳汁を吸飲することもむずかしい。舌の動きにしても、頬のかたちにしても、母乳を飲むことに関しては赤ちゃんの方に軍配があがる。
今回は、こうした事例をあげながら、赤ちゃんの口の機能性について考察する。未熟に見える赤ちゃんの口が「乳食」のために進化してきた構造であり、高い機能性をもった器官であることがわかるはずである。
講師 田畑 純(たばた まこと)先生
(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 硬組織構造生物学分野)
略 歴:
1985年 九州大学理学部生物学科卒業(発生生物学)
1992年 広島大学大学院生物圏科学研究科で博士(学術)
1992年 大阪大学歯学部助手(口腔解剖学第1講座)
1996年 文部省在外研究員(ヘルシンキ大学生物工学研究所)
2001年 鹿児島大学歯学部助教授(口腔解剖学第1講座)
2007年 東京医科歯科大学歯学部准教授(硬組織構造生物学分野)
近 著:
田畑 純「口腔の発生と組織 第4版」南山堂 (2019)
田畑 純「新十二歯考:十二支でめぐる歯の比較解剖学」医歯薬出版(2020)
田畑 純ほか「鱗の博物誌」グラフィック社(2020)
田畑 純・角田佳折「口腔の機能と解剖」南山堂(2021)
田畑 純・杉浦真琴「バーチャルスライド口腔組織学」羊土社(2021)
大学HP: http://www.tmd.ac.jp/dent/oan2/index.htm
個人HP: http://www.geocities.jp/qqbjj485/
●参加費 会員2000円 非会員5000円
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シャ)アカチャンシカネットワーク
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※2021年 今後の予定
・2022年2月17日(木) 会員発表
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